いま、私が住んでいるところでは、山の緑が日々深くなり、
毎日鳥の鳴き声がキラキラと聞こえてきます。
海は湖のように凪ぎ、青い海の中にさざえの刺し網漁の赤い旗が
ところどころではためいているのを見ることができます。
来月になると、いよいよ潜ることができるようになります。
山を歩くと小さな野の花が黄色やら薄紫やらピンクやら、
色とりどりに咲き乱れています。
1週間山に行かないだけで、かなり様相が変わります。
今頃はぼちぼち山椒の実が大きくなってきている頃です。
窓に映る鮮やかな黄緑色、白とピンクのハマナスの花、鳥の鳴き声、波の音。
毎日、こんな空間に身を置いているだけで多幸感が湧いてきます。
一方で、冬は11月くらいからどんよりした日が始まり、
毎日ほとんど太陽が顔を出さない日々。
断熱材なんか入っていない古い家に住んでいるので、
足元から寒さがじわじわこみ上げてきます。
寒いし暗いので、冬は19時くらいにふとんに入ることもしばしば。
「能登ウツ」という言葉があるのですが、
特に私のように、冬の間は毎日カラッと晴れる太平洋側から引っ越してきた人は
たいがい能登ウツを経験しているようです。
でも、冬の間の、内側の世界に目が向くこの時間は
クリエイティブ作業にもってこいなのです。
私はアート写真を撮るので、
冬の彩度の低い世界は、自分の世界観を表現するのにぴったりですし、
いい意味で黙々と突き詰められるんですよね。
こんな感じで、私の住んでいる地域は季節による陰と陽がすごくはっきりしているなと思います。
陽の季節は、陽の季節にあった過ごし方を、
陰の季節は、陰の季節にあった過ごし方を。
無理せず、季節のリズムに沿って、
その季節にしかできないことを見出して楽しんで生きていくことも、
”調和的である”ことなのかもしれません。